学会長挨拶
テーマ:女性が輝ける理学療法社会の創造
この度、第33回埼玉県理学療法学会を、2026年1月18日(日)に、大宮ソニックシティにて開催させていただくことになりました。本学術大会は、主要先進国で最も低い我が国のジェンダーギャップ指数を鑑み、理学療法分野での女性の活躍をコンセプトにしております。会員の相互の交流を図り、さらに埼玉県理学療法士会並びに会員の更なる発展の道標となるよう、「気兼ねなく」「楽しめる」大会を目指してスタッフ一同お迎えします。
日本理学療法士協会の発足当初(1966年)、女性会員の比率は10%程度でしたが、2024年度には会員総数139,556名のうち女性会員は54,802名となり、39.0%を占めております。しかしながら、2000年以降の女性会員比率は高止まり状態です。一方、世界に目を向けると欧米では女性理学療法士の比率が65%以上である国も数多く存在します。欧米諸国における女性理学療法士の比率が高い理由は、女性の社会進出率や管理職率の高さ、就労環境の充実、離職後のリカレント教育の機会創出などが挙げられます。
女性理学療法士は、男性に抵抗感のある対象者や女性特有の疾患を持つ対象者、小児、高齢者に好まれる傾向にあります。理学療法は、女性ならではの優しい声掛けや緻密な考え方、繊細な対応力を発揮できる職業です。男性とは異なる女性視点でのアプローチができ、これが女性理学療法士の強みとなるはずです。本大会では、女性理学療法士がより活躍するために、輝けるために今何ができるかを参加者全員で考え、新しい理学療法社会を創造する機会にしたいと思います。
このような大会コンセプトの具現化のため、本大会では3つの柱を立て企画・運営します。まず、コアとなる1本目の柱は、「経験豊富な理学療法士と若手理学療法士の融合」です。本大会では、ほとんどの教育講演を年齢層の異なる女性講師に依頼しました。女性のキャリアップを図るうえで、どのような環境創造が必要かなど参加者全員で共有しましょう。2つ目は、「埼玉県下の理学療法士養成各校における学生間の交流」です。近年、高等学校で導入されている探求学習の延長となる各養成校での特色ある学びを題材にした学生発表セッションを設けます。最後に、県民の皆様の健康意識向上を目的とした「健康増進測定・体験会の実施」です。このような企画と市民公開講座を連動させたプログラムで、県民の皆様に理学療法士を志すきっかけと健康について考える機会を提供する大会を目指します。
一般演題も口述、ポスター共に多くの応募をお待ちしております。なお、大会では託児室を開設しますが、すべての会場をお子さんと参加できるものにします。大会に参加されるすべての方が「気兼ねなく」「楽しめる」大会にするため、参加者の皆様にはご理解・ご協力お願い申し上げます。
第33回埼玉県理学療法学会
学会長
米津 亮
(東京家政大学)
